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相続のトラブル

5年ほど前、私の母は、両親(私から見たら祖父母)の相続手続きをしたときの話です。
祖父母は、40年くらい前に亡くなっていましたが、田舎のことで、家業を継いだ姉と、婿養子の義兄は、相続手続きをしないままでしたしかし4年ほど前に、当時の姉夫婦の住まいを含む母の実家周辺が、ダムの建設用地として接収されることが決まり、その手続きの為に放置していた相続の手続きを完了する必要が出てきました。
母は、5人兄弟の真ん中。総領で跡継ぎをした姉以外は、それぞれに結婚した相手との間に家を建てていました。そのため、親の遺した財産分与については姉妹全員ほったらかしでした。ところが、接収の話が持ち上がった途端に、無価値だと思っていた両親の不動産が非常に高い資産価値を持つことが分かりました。住居だった家までが古民家として売却の対象になり、大きくては手入れが良かったせいで、店舗用にと高い値がついたのです。
しかも、手続きの途上で、姉夫婦は、実は、内緒で両親の生命保険の保険金を受け取って使ってしまっていたことも発覚しました。姉夫婦と同居していた両親が相次いで急死した時、他の子供たちは既に家を離れていたため、これまで発覚しなかったのです。

相続人になったのは、みな、高齢者に手が届き孫のいる年代です。総額5千万の遺産分割をどうするか?は、結構もめました。中には、全く相続権のない立場なのに、何かもらえると思ったのか、親族会議の席に紛れ込んで「失業中だから分けてほしい」などと申し入れた人もいました。

そんな会議の席で、更にとんでもないことも発覚しました。両親が存命中に農地同士の交換をして、差額を支払って入手し、40年以上耕作してきた土地が、元地主の名義になったままであることが分かったのです。

役所で詳しく固定資産台帳を調べてもらうと、こちらが交換で提供したほうの土地はちゃんと所有権移転がされていました。取引相手であるAさんは、自分のもらった方の土地の登記はしっかりやっておきながら、父親に譲った方の土地の所有権移転が終わっていないことを知っていながら、知らん顔をしていたわけです。

事情を知って、姉夫婦は腹を立てて、Aさんの息子である、土地の所有者に「交換に応じないなら、そっちの土地を返せ!」と詰め寄りました。しかし、「オヤジからは、そんな説明は一切聞いていない」と相手にされず、困り果てた姉夫婦は、役所に相談に行き、弁護士に相談するように勧められました。

相談の結果は「本来ならば、売買の後すぐに、所有権移転登記をしておけばよかった。50年も耕作していたのだから、時効取得と言う方法もあると思うのだが、今回は訴訟を起こしても、判決の前にダムの建設が始まってしまうから不利。」と言われてしまいました。結局、泣く泣く、土地の所有権の主張はあきらめたものの、このことで、「姉夫婦がちゃんとしないからだ」と、兄妹仲まで悪化して大変でした。

両親が亡くなった後、すぐに処理しておけばこんなことにはならなかったのですが、知らないでいるということは、本当に問題を増やす原因になるものです。

相続によるトラブルを避けるためにも、故人の財産や不動産が残されているときには、すぐに弁護士などの専門的知識のある方に相談し、必要な手続きがあれば早めに済ませることがトラブルを避けるコツだと思います。

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